上場企業ならば会計情報は全てオープンにせざるを得ませんが、オーナー企業の場合は社内外問わず利益水準はできるだけ非公開にしたいものです。
儲かりすぎてるとの話が伝われば、得意先からの値下げ圧力や社員からの給与アップ要求に繋がりますし、赤字が続いているとの話が伝われば、得意先からの新規受注や仕入先からの支払い条件が厳しくなるかもしれません。
ただどこから情報が漏れるか分かりません。
ですので、会計情報を知ってる人間は必要最低限にしてできるだけ少なくしたい、できることならば経理担当者にも知られたくない、と思うものです。
これは香港に限らず万国共通かと思いますが、私の感覚では日本よりも香港のほうがこのような相談を受けることが多い気がします。
このような場合は、会計事務所の記帳代行が便利です。
経理担当者は通常の取引については整理して会計事務所に情報提供しますが、社長もしくは別の担当者が特に開示したくない部分(給与情報、役員報酬、役員経費、関連会社取引等)をとりまとめて別途会計事務所に情報提供し、会計事務所が社長に直接記帳報告をする形になります。
会計事務所の作業部分を社長が行えば会計事務所は不要ですが、費用対効果的に社長級の人間が行う作業ではないため、通常は会計事務所という選択肢になります。
正確な会計数字が早く出来上がる、というのは経営管理上とても大事なことですが、それに加えて情報が漏れないような体制にするということにも気を配っておきたいところです。